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★あらすじ
青豆:29歳女性。マーシャル・アーツのインストラクター。そして特殊能力を持つ、殺し屋。 1984年のある日、青豆は、渋滞の首都高速を徒歩で、非常階段を使って降りる羽目になる。その非日常的な体験の直後から、彼女は、自らが属する世界に、微妙な違和感を感じるようになる。 その違和感とは、警官の制服がいつの間にかリニューアルされていたこと、そしてその発端になったのが、カルトの銃撃事件という重大なものであったにも関わらず、青豆には憶えのないものだったということ。 それらの違和感は、むしろ彼女の記憶に障害があるのではないかとも解釈できるものごとではあったし、彼女を取り巻く身近な環境にはほとんど変化は無かったので、疑問を持ちつつも誰に相談することもできず、青豆はいつも通りの日常を送るしかなかった。 しかし彼女は、ある夜、空を見た瞬間、自分が今居る世界が、既知のものではないことを確信する。 彼女はこのズレた世界に「1Q84」と名前をつけた。 天吾:29歳男性。予備校数学教師。そして小説家修業中。 天吾は、メンターとも言うべき編集者の小松からの、危険な提案に戸惑っていた。その提案とは、天吾が下読みをしている文学新人賞のとある応募作を、ゴーストライターとしてリライトしないか、というものであった。 問題の作品は、17歳の少女”ふかえり”の書いた『空気さなぎ』という幻想的な小説で、物語性は非常に優れていたが、文章があまりに稚拙であった。小松はこの『空気さなぎ』を天吾が書き直せば賞もねらえるし、出版も可能であろうと言う。それどころか、ベストセラーも夢ではないと。 天吾は、詐欺まがいの文壇を貶めるような提案に拒絶反応を示すが、その一方で『空気さなぎ』という作品に抗いがたい魅力を感じ、それを職人的に書き直してみたいという、強い欲求も覚える。 悩み迷いつつも、天吾はとりあえず、作者のふかえりという少女に会うことにする。 ★感想 あああああああ面白かった面白かった。ブログにも書きましたけど、ほぼ一気読みしちまいました。ああぁもったいない。ちなみに2冊で所要時間8時間ほどでしたが、どりはかなり速い……っつーか、相当速い方なので、しかも相当ハルキストなので、時間についてはあまり参考にしないで下さい(汗)それにしても、PCに向かってると、すーぐ目が疲れて頭痛がしてくるのに、本だと全然平気ってどういうこと(笑) 今作は、村上氏のド本流であります。孤独で淡々とした日常と、そこからわずかにずれた世界。現在に影響を与える過去。地下に潜む闇のシンボル。セックス。 それらのド本流要素がてんこ盛りで、嬉しかった~~。 今作でも、村上氏の得意なおなじみの技法がとられていて、2つの一見関連性のない2つのストーリーが、平行に流れていきます。 奇数章が青豆視点、偶数章が天吾視点。 最初はホント、2つのストーリーがどうつながるのかサッパリわかりません。でもbook1の後半くらいからちょっとずつ見えてくるんですよ。ストーリーはもちろん面白いんですけど、青豆と天吾がどこでどうつながってるのか、その興味にもぐんぐん引っ張られます。うーん、うまいなー、さすがハルキさんだなー(←世界的大作家捕まえて今更何を…) 読み口としては、氏の本流の作品の中では、軽目だと思います。『ねじまき鳥…』に比べたら格段に軽いし(どりが唯一、一気読みできなかった、村上作品の長編です/汗)羊シリーズや『海辺のカフカ』よりも軽いです。『世界の終わり…』よりもわずかに軽いかも。読み易いです。読みながら息切れしたり、胃が痛くなったりするようなことはありませんでした。ちょっと動悸はしましたけどね(←オイ) あちこちで言いまくってますが、どりは村上氏の文章が大好きです。愛してます! 適材適所の言葉をどうやったらこんなにリズミカルに並べられるんだー!! それから独特の比喩も、毎作すげー楽しみにしてます。今回も面白いのいっぱいありました。相方と共有の本でなければ、気に入った比喩全部に線入れたいくらい。 ともかく、村上氏の文章を、同じ言語で、同時代で読める自分が、とてもラッキーだと思えます♪ コレは色んな読み方のできる作品で、mixiのコミュとかでも解釈について盛り上がってるようですが、どりの意見はとりあえず述べないでおこうと思います。 ネタバレが怖いってのもあるんですが、多分今後何度も読み返すと思いますし、読み返すたびに新たな発見があると思うので、安易に語りたくはありません。 ただ今は、「リトル・ピープル」は何のシンボルなのだろう、と、ぼんやり考えています。 新潮社の紹介ページ PR |
発見って…なんだろう…?
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