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【2024/04/27 16:40 】 |
ジャスパー・フォード『文学刑事 サーズデイ・ネクスト3 だれがゴドーを殺したの?』

★あらすじ
舞台は1980年代のパラレル英国南西部の町スウィンドン。そこは、リアルとはちょっとずれた世界で、通常の警察が取り組むには異様すぎるか特異すぎると見なされた事件を担当する、特殊捜査機関スペシャル・オペレーションズ・ネットワーク(SOまたはスペックオプスと略される)なる組織が存在する。(クリミア戦争が120年も続いていたりもする)
ヒロイン、サーズデイ・ネクストはSO-27(文学刑事局)に属する文学刑事。
彼女は、マッド・サイエンティストの伯父の作った発明により『ジェイン・エア』の中に送り込まれ、稀代の悪党アシュロン・ヘイディーズと対決する(『1 ジェイン・エアを探せ!』)
またシェイクスピアの行方不明の戯曲『カーデニオ』が発見され、真贋を巡った事件を担当する過程で、本の世界から現実に逃げてきて、ネオ・ファシストの政治家になっているヨリック・ケインと戦う(『2 さらば大鴉』)
サーズデイは、そんな事件に関わりつつ、別れた恋人のランデンと再会したり、機械を使わなくても本の世界(ブックワールド)に出入りすることができるようになったり、悪徳大企業ゴライアス社に追い回されたり、もう大変。
3巻では、ゴライアス社とヘイディーズの妹エイオーニスから逃げるため、サーズデイは「ロスト・プロットの泉」(ボツ作品や未完作品の保管場所)に存在する『カヴァーシャム・ハイツ』という刑事物のブックワールドに身を寄せるのだが……

★感想
このシリーズ、すっと紹介したかったんですが、世界観とあらすじをどう説明したものかと(^_^; 上の説明で解って頂けたかどうか、とっても心配(汗)
要するに、パラレルSFミステリー、30代の生きの良いねーちゃんが主人公のコメディ、文学パロディ&ギャグ満載。ということになるかと思います(要してないかも……)

キャラクターがとっても魅力的!! サーズデイも威勢が良くてもちろん好きですが、ランデンもいい男だし、ネクストおばあちゃん(3巻で106歳)が最高。
それから、文学ギャグが抱腹絶倒。どりは量は相当読んでますが、日本文学に偏ってるので、作中に出てくる英米文学は半分も読んでないんですが、それでもひっきりなしに笑えます。ネタバレを恐れず、本文内できっちり説明してくれるからです。そしてネタバレがあっても「ああ、この本読んでみたいなあ」と思わせられる。(3巻には30冊ほど出てきます)
そしてですね、やはり何と言っても世界観! 本の中に入りたいと思ったことがありませんか? ありますよね? このキャラに会えたらなあ、と思ったことはありませんか? ありますね!? それをサーズデイはやってのけるわけです。『嵐が丘』のヒースクリフに会ってみたくないですか!?
http://www.catchbon.jp/smg/cb/shop/goods/detail.aspx?goods=012669

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【2007/10/16 08:41 】 | 海外ミステリ | 有り難いご意見(1) | トラックバック()
ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』

☆あらすじ
ピーター・ウィムジィ卿シリーズ第10弾。
探偵作家ハリエット・ヴェインは、母校オクスフォードのシュローズベリ・カレッジ(女子大)の学寮祭に出席し、懐かしい顔に出会い、楽しくなったり悲しくなったりしながらも旧交を温めます。ところが、深夜、中庭で女子寮に相応しくない汚らわしい落書きを拾い、翌日には嫌がらせめいたメモがガウンの袖に入れられているのを発見します。いささかの幻滅と不安を抱き、ハリエットは仕事の待つロンドンへと帰ります。
数ヶ月後、恩師から、匿名の手紙と悪戯が学内に横行していると、助けを求める連絡が入ります。ハリエットは再び母校に滞在し、論文を書きながら学内を調査します。悪戯がエスカレートし、行き詰まったハリエットは、悩んだ末に政府の仕事で外国にいるピーター卿に手紙を書きますが……

☆感想
英国古典ミステリ(1937)でありながら、セイヤーズの名前は、ドイルやクリスティほど日本では有名でないのが悔しくてたまりません。いまひとつマイナーな理由はおそらく、長らく絶版だったからでしょう><シリーズ一の名作と言われる『ナイン・テイラーズ』なんて、有栖川有栖の『孤島ゲーム』で「名物絶版本」と語られているくらいに、マニア泣かせの絶版本だったんです。現在は創元文庫で復刊されていて、ありがたい限り。
セイヤーズ、ぶっちゃけ、どり的にはドイル&クリスティに匹敵するくらい好きです。いや、もしかしたらセイヤーズのが好きかも( ・ノェ・)コッソリ
何故にセイヤーズが好きかと言いますと、おそらく、萌え要素が多いから(笑)
シリーズ探偵のピーター卿がまず萌えキャラです。そんな男前じゃないんですが、背が高くて、貴族の次男坊で、インテリで、趣味は古書収集で、戦争体験と失恋で神経衰弱になったことがあって、いささかシニカルで口が悪い……萌えじゃないスか?
ピーター卿とハリエットの関係も萌えなんですよ。ネタバレになりますから、具体的には書きませんけれど。
それからもちろん、英国の風俗や文化や風景なんかが、すっごい細かく描かれてるのも嬉しい。『学寮祭…』では「ほーっ、英国の大学ってこういうシステムなんだー」ってのが解ったつもりになれました。
あっ、もし、この主観的な紹介文で「読んでみようかな」と思われた方がいらっしゃいましたら、できたらシリーズ順に読んだ方がいいかと存じます。少なくとも『学寮祭』の前に『毒を喰らわば』だけは読んだ方がよろしいかと……
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=1155

【2007/06/08 13:38 】 | 海外ミステリ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』
正月にやっと読みました(遅

先に読んだ相方が
「僕は中巻で黒幕が分かったよ」
と得意げに言ってましたが、私も分かりましたが、なにか?
まあ、ミステリとしてはそんなもんですが、真ん中へんで見当をつけさせるってのも、作者の計算なのかもしれんです。

美術史・宗教史関係の蘊蓄は面白かったです、さすが。

スピード感とハラハラ感も良かったなあ。
最初っから映画化を狙って書いたんじゃないの?って思ったくらい( ・ノェ・)コッソリ
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200509000008
【2007/04/23 15:52 】 | 海外ミステリ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
ホセ・ラトゥール『ハバナ・ミッドナイト』ハヤカワ文庫
 金融には全く疎いどりですが、この作品中の先物取引や、マネーロンダリングの説明調な部分には、結構ついていけました。ってことは、翻訳が良いのでしょう。ラストの真っ暗さには、溜息が出ました。このくらい徹底的に黒く書かないと、現在のキューバの実情を伝えられないのかもしれません。
「アイスクリームしか食べるものがない」「車を持っていても、ガソリンがなくて乗れない」等々、キューバの現状については、北朝鮮並みに怪しい風評が聞こえてきますが、当たらずとも遠からず。 

ノワールと謳ってるのに、主人公アリエル・ランダは、お馬鹿だけど素朴な良いヤツです。更に、金融の才能もあって男前。けれど、嵌められたまま結局救われません。嗚呼。

 きっと、キューバの多くの市民は、ランダのように、また彼の家族のように、また、ランダを助けたマヤ族の一家のように、善良で我慢強い人々なのでしょう。なのに、このすさまじい閉塞状況。

しかしこの状況は、アメリカの経済封鎖のせいだけではないと、作者は冷静に書いています。こんな本を書いちゃって、作者のラトゥールは大丈夫なんでしょうか。中南米のジャングルで、ランダのような目にあってないといいんだけど。
http://www.webdokusho.com/shinkan/0305/b_10.htm
【2007/04/23 14:43 】 | 海外ミステリ | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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