忍者ブログ
  • 2024.03«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • » 2024.05
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/04/27 15:27 】 |
伊藤比呂美『河原荒草(カワラアレクサ)』思潮社

伊藤比呂美さんの作品には、長いこと救われてきました。大学の現代詩の講義で出会って以来ですから
10年以上(トシバレ;;)詩だけではなく、エッセイや小説、育児書に至るまで追っかけてきました。
“おんな”という壁にぶちあたるたび、氏の本が背中を押してくれたような気がします。

この『河原荒草』は、長い散文詩です。“繁茂する植物”“死体”“セックス”“母性”という
伊藤氏のテーマが盛りだくさんです。もちろん、氏ならではの言葉のセレクトもステキ。

例えば、

「ずぶりずぶりとぞうきんをバケツで洗うような音、ずるりずるりというぬるぬるしたものをこする音、
それから母の歌うような泣いているような声も、何日も何日もそんなことがありました。」

お判りでしょうか。エッチ音の描写です。
母性や性を“美しく描かない”ことにおいては、伊藤氏は天下一品だと思います。

視点は、11歳の女の子。伊藤氏自身のアメリカ生活や、国際結婚の印象が語られているのかな~と
思いつつ、女ならではのグロテスク且つファンタジーな言葉の数々に、とろとろと包まれながら
読んで行くと、この作品、それだけれはなかった!
終盤に「ぬうっ!」という1ページがあり、突然ファンタジーがホラーになります。

なかなかサプライズでした。
下手なホラー小説より怖いかもしれませんぜ!
 http://www.amazon.co.jp/%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E8%8D%92%E8%8D%89-%E4%BC%8A%E8%97%A4-%E6%AF%94%E5%91%82%E7%BE%8E/dp/4783721017

PR
【2007/04/23 15:24 】 | | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
| ホーム |

忍者ブログ [PR]