☆あらすじ
ピーター・ウィムジィ卿シリーズ第10弾。
探偵作家ハリエット・ヴェインは、母校オクスフォードのシュローズベリ・カレッジ(女子大)の学寮祭に出席し、懐かしい顔に出会い、楽しくなったり悲しくなったりしながらも旧交を温めます。ところが、深夜、中庭で女子寮に相応しくない汚らわしい落書きを拾い、翌日には嫌がらせめいたメモがガウンの袖に入れられているのを発見します。いささかの幻滅と不安を抱き、ハリエットは仕事の待つロンドンへと帰ります。
数ヶ月後、恩師から、匿名の手紙と悪戯が学内に横行していると、助けを求める連絡が入ります。ハリエットは再び母校に滞在し、論文を書きながら学内を調査します。悪戯がエスカレートし、行き詰まったハリエットは、悩んだ末に政府の仕事で外国にいるピーター卿に手紙を書きますが……
☆感想
英国古典ミステリ(1937)でありながら、セイヤーズの名前は、ドイルやクリスティほど日本では有名でないのが悔しくてたまりません。いまひとつマイナーな理由はおそらく、長らく絶版だったからでしょう><シリーズ一の名作と言われる『ナイン・テイラーズ』なんて、有栖川有栖の『孤島ゲーム』で「名物絶版本」と語られているくらいに、マニア泣かせの絶版本だったんです。現在は創元文庫で復刊されていて、ありがたい限り。
セイヤーズ、ぶっちゃけ、どり的にはドイル&クリスティに匹敵するくらい好きです。いや、もしかしたらセイヤーズのが好きかも( ・ノェ・)コッソリ
何故にセイヤーズが好きかと言いますと、おそらく、萌え要素が多いから(笑)
シリーズ探偵のピーター卿がまず萌えキャラです。そんな男前じゃないんですが、背が高くて、貴族の次男坊で、インテリで、趣味は古書収集で、戦争体験と失恋で神経衰弱になったことがあって、いささかシニカルで口が悪い……萌えじゃないスか?
ピーター卿とハリエットの関係も萌えなんですよ。ネタバレになりますから、具体的には書きませんけれど。
それからもちろん、英国の風俗や文化や風景なんかが、すっごい細かく描かれてるのも嬉しい。『学寮祭…』では「ほーっ、英国の大学ってこういうシステムなんだー」ってのが解ったつもりになれました。
あっ、もし、この主観的な紹介文で「読んでみようかな」と思われた方がいらっしゃいましたら、できたらシリーズ順に読んだ方がいいかと存じます。少なくとも『学寮祭』の前に『毒を喰らわば』だけは読んだ方がよろしいかと……
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=1155
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