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新本格ミステリの雄、島田荘司氏は、ここ何年も「脳」というものをテーマにした作品を発表し続けています。 この中編集『エデンの命題』は、シリーズものではないのですが、やはり脳に こだわった作品2篇が収録されています。 「エデンの命題」では、アスペルガー症候群という、特別な自閉症について。 「ヘルター・スケルター」は、脳の器質障害について。 それぞれについて語りたいことはいっぱいあるのですが、具体的なネタにふれるのはやめておきます(ムズムズ)。 どりが島田氏の作品を好きなワケは、毎作、あっと驚く大技のトリックや、どんでん返しに、大いなるカタルシスを得られるところなんですが、それだけではありません。知的好奇心を刺激されるところも好きであります。この本でも、「エデン…」を読んで自閉症について調べたくなりましたし、「ヘルター…」は、実際の歴史的な出来事を題材にしてますので(ネタバレになってませんよね?;;)それについてもネットであたってみたりして。 それから、島田氏の作品は時々とても切ないです。名作『異邦の騎士』などは、涙なしには読めません。「エデン…」では、自閉症の子どもたちが、どのような社会生活を強いられているのか、患者の一人称によって書かれています。「ヘルター…」では、ベトナム戦争について書かれています。 涙まではいきませんでしたが、どちらも、なかなか切なかったです。 『エデンの命題』、ミステリマニアとしては、トリックが小技かもと思ったりもしましたが、その分、普段ミステリを読まれないけれど、脳と精神の関係などに興味のある方にも、お楽しみ頂けるのではないかと思います。 PR |
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