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【2024/04/26 05:04 】 |
篠田真由美『美しきもの見し人は』

★あらすじ
ライター兼調査員の沢崎は、今は亡き孤高のカトリック教文学者・蘭堂叡人の評伝の取材をするために、彼が最晩年を過ごした長崎県の孤島、波手島を訪れた。
波手島は、隠れキリシタンが明治の世になるまで信仰を守り続けてきたことで有名な島である。
波手島には現在、蘭堂叡人の財産相続人である義妹の蘭堂キアラと、その使用人などの数名の女性たちだけが、叡人の残した館に住むばかりであった。

不気味ささえ感じさせる個性的な女性達に話を聞いているうちに、沢崎は、かねてから気になっていた叡人の死亡についても調査する機会を得る。
女性達が言うには、叡人は、閉ざされた書斎から姿を消した……昇天したと言うのだ。

そこへ、叡人の隠し子だと名乗る女性が現れる。そもそも沢崎は、キアラにその隠し子について調べるように依頼を受けていたのだ。
沢崎の目には、その女性はいかにも偽物のように見えた。
しかし、その女性が現れ、叡人が消えてから10年も閉ざされ続けていた書斎を暴いたその夜、殺人事件が起こる……

★感想
『すべてのものをひとつの夜が待つ』に続く、ゴシック・ロマンシリーズなんだそうです。
ゴシック・ロマンスってのは、本格ミステリのルーツなのだそうです。
迷宮のような館、不気味な住人たち、謎たっぷりの死、不可能趣味、秘密を抱えた主人公、オカルティズム……そんな要素を抱えたおどろおどろしい雰囲気の謎解き話ってことになりましょうか。


本格ミステリと、ゴシックロマンの違いを、あとがきからそのまま引用させて頂きますと、

〈謎が解かれたときに、そうしたおどろおどろしい要素はすべて謎の構築に奉仕していたのだということが明らかにされ、お化け屋敷は余さず解体されて、土台石まで白日の下に晒されるのが本格ミステリ。
 謎が解かれてもなお、お化け屋敷のまとう悪夢、言い換えれば魅惑が解体されきれないまま残るのがゴシックロマンス。〉

なんだそうです。ふむふむ、納得。

この作品も、最後まで読んでも謎は残ります。
スレた本格ミステリマニアとしては、
「ええっ、どうしてこの人が生き残ってたの?」
とか思っちゃうんですが、それはそれ、お化け屋敷のまとう悪夢は多少残されていた方がロマンチックなことは確かですよね。想像力も働きますし。
とは言ってもこの作品、スッキリ解決される謎もありますから、解決時のスリルやカタルシスも充分に味わえます。
特に、隠れキリシタンの研究成果の話が、叡人の死の謎と結びついた瞬間は、ゾクゾクしました~。

 光文社の紹介ページ

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【2008/06/06 18:14 】 | 国内ミステリ | 有り難いご意見(1) | トラックバック()
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有り難いご意見
きのうは納得した
きのうは納得した。
それで解決しなかったよ。
【2008/06/07 08:28】| URL | BlogPetのコウ #8d381983f3 [ 編集 ]


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