★あらすじ
大学受験を控えたある雪の日、県内随一の進学校、私立青南高校3年2組の8名は、他の誰もいない校舎に閉じこめられてしまう。その非現実的な状況を8人は、誰かの精神世界に閉じこめられたと解釈する。
そして彼らを閉じこめたのは、2ヶ月前の文化祭最終日、屋上から投身自殺をしたクラスメートではないかと思い至る。その亡くなったクラスメートが、何らかのメッセージを、もしくは恨みを伝えたくて、彼らを呼び寄せたのではないか?
しかし、8人はその自殺したクラスメートのことを思い出せない。名前も、顔も。たった2ヶ月前のことなのに、記憶を消されたように、彼、または彼女のことを忘れてしまっていた。
もしかしてこの8人の中に、この精神世界を造っている「ホスト」がいるのだろうか?
それならば、それは誰なのか? アイツか? あの娘か? それとも自分なのか?
彼らは、必死に自殺したのは誰なのか思い出そうとし、その自殺には自分も責任があったのだろうかと思い悩み……
★感想
8人は仲良しグループのメンバーなのですが、思い悩むうちに、互いに知ることのない自己の暗部を自らほじくり返す羽目になります。その8種類の悩みは、おそらく多くの人が青春時代に遭遇する悩みです。イタタタタ、という部分に何度となく遭遇しました。そういう意味で、青春小説としても秀逸だと思います。
もちろんミステリとしても面白いです。誰が自殺したクラスメートなのかは途中で何となく分かってしまいましたが、それでもどんでん返しはあります。ちょっとそれは無理が、ってな部分もなきにしもあらずですが、なんせデビュー作(メフィスト賞)ですしね、どりは許します(えらそう)。ホラー的ドキドキ感もなかなかですし。
そして文章が上手い! 特に前半。つられそうな予感(笑)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1823752
※申し遅れましたが、各冊薄いですけど上中下三分冊です(汗)
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